ニホンザリガニは日本固有のザリガニで、北海道の西部と青森・秋田・岩手の3県だけに生息しています。ふつうザリガニというと、一般の人が連想するのは赤いアメリカザリガニのことで、これはその名のとおりアメリカ大陸からの人為的な移入種です。ニホンザリガニは大きさは4~6cmと小型で、体色は暗褐色です。アメリカザリガニと比べると、体形がずんぐりしていて、ハサミが丸く大きいという特徴があります。また、甲らの表面はなめらかで、あきらかな突起もありません。かつて、北海道や東北地方のいたるところの河川・池・湖に生息していたニホンザリガニも、開発と水質汚染によりその生息地の多くを奪われました。また他の移入ザリガニとの競合にも弱く、北海道東部ではウチダザリガニに生息域を完全に明け渡しています。近年では、その個体数はたいへん少なくなって、局所的に残されていた生息地も、宅地化や水路のU字溝整備によって確実に減りつつあります。
(写真提供:ざりがに探偵団)
※野生動物です。必ず観察できるとは限りません。
ホロカレイェプ【horokarayep (反対・這う・もの)】
ニホンザリガニはうしろに後ずさりするようにして進むことからこのように呼ばれていた。伝承によると、雨降らしのまじないにニホンザリガニを糸で縛り、水から少しはなれた沢辺の木などにつなぎ、水へ帰りたければ雨を降らせて、ここまで沢水を増水させろ、という意味であり、簡単な雨降らしはこのよう に小沢でざりがに相手に行われた。