富良野の自然を安全に楽しみ、またその自然を長く後世に伝えるために、お互いに守りたい点があります。
心得とマナーを守って山歩きを楽しみましょう。
大雪山の四季はおおまかに10~5月が冬山、6月が春山、7月から8月が夏山、9月が秋山に分けられます。富良野周辺の山では、6月初旬に夏山の山開きとなり市民登山会が開催されます。(詳細はふらの観光協会まで)
7月上旬までは登山道に残雪が多く、稜線では9月中旬に早くも初雪が降ります。花の適期は7月から8月中旬、紅葉の適期は9月上旬~中旬です。
自身の体力、レベル、または天候などに合わせて富良野西岳、富良野岳、芦別岳などを中心に、半日の軽い軽登山から1日またはテント泊を伴う縦走まで、幅広く登山を楽しむことができるのが、大雪山、十勝岳連峰、夕張山系などといった山々に囲まれた富良野の魅力です。
ただし、どんなに登山経験者であろうと初めての山では道迷い、また、ヒグマ、スズメバチなどといった危険もあります。まずは、事前に書店などで目指す山についての情報収集、または富良野市役所商工観光課(TEL:0167-39-2312)などで登山道の状況などについての情報収集を怠らないようにしましょう。または、有料のガイドツアーに参加するのも一つです。道案内だけではなく、大雪山の自然や地元ならではの豆知識とお徳情報を得られるのがガイドツアーの特典でもあります。富良野のガイドツアーについてのお問い合わせは、(社)ふらの観光協会(TEL:0167-23-3388)へお気軽にお問い合わせください。
7月・8月でも雨や風が冷たいこともあり、荒天によりヒョウが降ることも珍しくありません。常に防寒対策は心がけたほうがよいでしょう。透湿性防水素材(ゴアテックスなど)の雨具上下、薄手のフリース、手袋は必携です。それ以外の時期(6月・9月)は最低気温が氷点下になるので、防寒用の下着上下、冬用の手袋、毛糸の帽子、厚手のフリースがあると良いでしょう。
7月下旬から8月下旬なら軽登山靴でも歩けますが、その他の季節はしっかりした登山靴が必要です。なお、残雪期に入る場合は軽アイゼンがあると安心です。
ヘッドランプ、地図、コンパス、救急薬品、帽子、日焼け止め、クマ除け鈴、非常用食料など。山小屋どまりの場合は食料、自炊用具、シュラフ、気象情報を得るためのラジオも必要です。
雪解け水や沢の生水をそのまま飲むとエキノコックスに感染する恐れがあるので、必ず煮沸してから飲むこと。
大雪山には食事・寝具つきの営業小屋はなく、山小屋を利用する場合は生活用具一式の携行が必要。無人の非難小屋となっている山小屋がほとんどですので遅くついた場合は寝場所を確保できないことがあります。テントを持つと安心です。
万が一のことを考え、登山口と下山口では必ず登山者ノートに記帳するようにしてください。
単独行はなるべく避け、台風など悪天候が予想される場合は、予定を変更して早めに下山しましょう。
大雪山のヒグマは登山者を避ける傾向にあるので、鈴を鳴らすと共に他の登山者の多い季節や時間帯、コースを選ぶことが大事です。臭いの出るゴミはクマをおびき寄せるので、密閉できる袋に入れて保管し持ち帰ります。万が一、ヒグマと遭遇したら静かに対峙し、ヒグマの方から立ち去るのを待ちます。ヒグマが逃げない場合はゆっくり後ずさりし、徐々に距離を開けましょう。走って逃げたり石を投げたりするとかえってヒグマを刺激し、襲われる原因になります。